日本ワインと国産ワインの違いって?国内のワイン産地も紹介!

ワインの基礎知識

昔の日本では、ワインは海外から輸入するお酒というイメージがあり、国内の工場で大量生産されたものを「国産ワイン」と呼んでいました。

ところで近年、ラベルに「日本ワイン」と記載されているのをよく見ますよね。
日本ワインと国産ワイン、どこが違うのでしょうか。

日本では2015年に初めてワイン法が制定され、2018年10月から施行されました。

その際に「国産のブドウから造られたもの」と「海外原料(ブドウ濃縮果汁、輸入ワイン等)を使用して日本で造られたもの」とを明確に区別する目的で「日本ワイン」という呼称が生まれました。

日本は湿潤な気候のためワイン用ブドウの栽培には不向きとされていましたが、比較的冷涼で雨の少ない地域を中心に栽培技術が進み、殆どの都道府県でワインが生産されるようになりました。

この記事では、混同しやすい「日本ワイン」と「国産ワイン」について違いを解説しながら、日本の主なワイン産地を紹介していきます。

「日本ワイン」と「国産ワイン」の違い

近年、ワインのラベルに「日本ワイン」という文字を目にすることが増えています。「日本ワイン」と表示されるようになったのは2015年にワイン方が制定(正式な適用開始は2018年)されてからです。

ところで、「日本ワイン」と「国産ワイン」はどこが違うのでしょうか。

日本で生産されたワインのことを全て「国産ワイン」と呼んでいた時期が長くありました。
従来「国産ワイン」と呼ばれていたものは、以下の2種類があります。

  • 国産ブドウのみを原料として国内で醸造されたワイン
  • 海外から輸入された濃縮果汁やブレンド原料用ワインを使って醸造、ブレンドされたワイン

日本でワインへの関心が高まるにつれてブドウ栽培とワイン醸造が盛んになったことで、上記2つをはっきり区別する流れとなりました。

現在はいずれも「国内製造ワイン」に一旦区分された上で、前者が「日本ワイン」後者が「国産ワイン」と定義されています。

  • 日本ワインの定義とは:国産ブドウのみを原料とし、国内で醸造されたワイン
  • ブドウ産地(収穫地)、品種等をラベルに表示できる

輸入濃縮果汁等を使用した「国産ワイン」の場合は、地名や品種の表示はできません。併せて、濃縮果汁や輸入ワインを使用している旨を表示する義務が発生します。

現在ではこのように、ラベルを見れば一目で区別できるようになっています。

ワイン造りの盛んな都道府県ベスト3

日本で栽培されたブドウを使ってワインを醸造するワイナリーは年々増加しており、人気も高まっています。
ワイン生産量のベスト3は以下の都道府県です。

第1位:山梨県

明治時代に日本初のワイン生産が始まったのが山梨県です。山梨県は海に面していない内陸県で「内陸性気候」に分類されます。

内陸性気候の特徴としては、年間の気温差と一日の気温差が大きく、降雨量が少ないことです。これは日本国内の中でも珍しく、ヨーロッパのワイン産地に近い環境のためブドウ栽培が盛んになったのも納得です。

国税庁ホームページによると、2019年3月時点での国内ワイナリー数は331場ですが、1位は山梨県の85場です。
山梨といえば「甲州」が有名で、食用としてもワイン用としても盛んに栽培されています。

第2位:長野県

ワイナリー数2位は長野県の38場です。
実はワイン用ブドウに関しては、食用ブドウも多く生産される山梨県を抜いて1位の生産量を誇ります。

長野県も内陸性気候で雨が少なく、さらに日照量が全国平均より長いので、ブドウは太陽を浴びてよく熟します。

山梨県は甲州があまりにも有名で、白ワインのイメージがありますが、長野県ではメルローやコンコードなど赤ワインの原料となるブドウ品種が多く作られているのも特徴です。

第3位:北海道

北海道で造られているお酒というとウイスキーが真っ先に思い浮かぶ方も多いかも知れませんが、ワイン生産も近年盛んになっています。

北海道の冷涼な気候は、ワイン銘醸地のドイツやフランスのシャンパーニュと似ているところがあります。また梅雨がなく台風の上陸も殆どないため、収穫期の大雨に見舞われる可能性も少ないです。

北海道ならではの冷涼な気候風土に合う品種であるケルナーやピノ・ノワールが栽培されているのも大きな特徴です。

上位3県に続くのが山形、岩手、新潟、そして意外にも?大阪です。

2019年3月現在では奈良と佐賀以外の全ての都道府県にワイナリーがあるので、個人的にいつか全国のワインを制覇したいと思っています。

日本ワインに使われる品種

日本ワインの主なブドウ品種を紹介していきます。

白ワイン

  • 甲州
  • ナイアガラ
  • デラウェア
  • ケルナー

山梨県で古くから栽培された歴史のある甲州は、生食用としても広く知られていますが、和食に合うすっきりとした味わいが特徴です。

同じく生食用としてなじみ深いデラウェアやナイアガラも、ほんのり甘さのある白ワインや、微発泡のスパークリングワインになります。

冷涼な地域が向いているケルナーはすっきりしたフルーティーなワインとなります。

他には国際品種のシャルドネやソーヴィニヨン・ブランも栽培されています。

赤ワイン

  • マスカット・ベーリーA
  • メルロー
  • ブラッククイーン
  • コンコード

日本で最も多く栽培されている赤ワイン用の黒ブドウは、マスカット・ベーリーAで、こちらは日本固有の品種です。

国際品種のメルローも、長野県の桔梗が丘といわれる地域で盛んに栽培されています。

ブラッククイーンは新潟県で誕生した品種で、あまり栽培面積は多くありませんが今後注目していきたい品種です。

コンコードは100%グレープジュースで馴染みがあるのではないでしょうか。ジュースやジャムにも多く使われ、色の濃いカジュアルな甘口ワインに仕上がります。

まとめ

かつては国内製造であれば原料は問わず同列に扱われていた「国産ワイン」ですが、ワインへの関心が高まると共に国産ブドウを使用したワインを区別する流れとなり「日本ワイン」という呼称が生まれました。

日本ワインと国産ワインの違いは「日本国内で栽培されたブドウを100%使って造られたかどうか」です。

日本の殆どの地域は湿潤気候なので、ワイン用ブドウの栽培は不向きとされていましたが、近年は栽培技術も向上しています。

特に山梨県や長野県、北海道など比較的雨の少ない地域からブドウ栽培が盛んになり、今では殆どの都道府県でワインが造られるようになりました。

甲州やデラウェアなど、生食用としてよく知られていた品種からも良質のワインが多く生産されています。

店頭で「日本ワイン」を見かけたら、ぜひ手に取ってみてくださいね。

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