冬を彩る金柑、家庭での育て方や美味しく食べる方法を紹介!

冬の食文化

冬になると、民家の庭先で柑橘類の実が色づいているのを見かけます。

なかでも小さくて可愛らしいのが金柑ですが、ジャムや甘露煮として食べられるほか、金柑のエキスがのど飴に使われることもあります。

金柑はミカン科の常緑低木で、入手や栽培が容易なので育てている方も多いと思います。

見た目が美しいのはもちろんですが、自分で育てた金柑でジャムなどを手作りすることで、楽しみも広がります。

金柑はどんな植物?

ミカン科の常緑低木

金柑は中国が原産で、ミカン科に分類される常緑低木です。

初夏になると白い星型のような小さく可憐な花を咲かせ、夏の終わりにかけて開花期が2~3回やってきます。

初夏~夏に開花した後は小さな緑色の実を付けますが、ゆっくりゆっくり成長して冬になる頃ようやく色づいて年が明ける頃に収穫期を迎えます。

果皮と果実を食用にしますが、果実の方が酸味が強く、主にジャムなど加熱加工して食されています。

柑橘系らしい爽やかな香気が特徴で、開花時にもほのかに香ります。

濃いグリーンの葉はやや肉厚で光沢があり、濃黄色の果実とのコントラストが美しく庭木としても非常に人気です。

家庭でも容易に育てられる

金柑は家庭でも容易に育てられるので、庭木としても多く植えられています。

大きくなると樹高2メートル近くにもなりますが、適度に剪定することでコンパクトに仕立てることも可能なので、狭いスペースでも鉢植えでも育てられます。

金柑は土を選ばず、水や肥料をこまめにやらなくとも実を付けますし、病気にも強いため手がかかりません。

常緑樹で落ち葉もなく、樹形が乱れることもあまりないので管理は楽といえます。

金柑を植える時の注意点

害虫対策

育てやすく手のかからない金柑ですが、外に植える際には害虫対策が必要です。

金柑はミカン科の植物ですが、ミカン科を食草としているのがアゲハチョウの幼虫です。

アゲハチョウの幼虫は金柑の葉をあっという間に食べ尽くしてしまい、虫が苦手な方にはその姿にぎょっとすることも多いでしょう。

できるだけ卵から幼齢幼虫のうちに駆除することが重要ですが、薬を使う必要はなく割り箸などで取り除きます。

台木に注意

また、金柑は接ぎ木苗で売られていることが多く、台木には病気に強い性質のあるカラタチがよく使われています。

これは筆者の経験ですが、金柑を植えて何年経っても実がならないと思ったら、台木からカラタチの新芽が出て成長したために金柑として育たなくなったことがあります。

カラタチは葉が丸みを帯びていて、鋭いトゲがある点で区別できるので、カラタチの芽が伸びているのを発見したら枝が若くて柔らかいうちに切り取りましょう。

カラタチは成長が早く、ある程度育ってしまうとトゲが非常に鋭くなり、ケガをすることがあるため注意が必要です。

ちなみに、伸びてきたカラタチ部分を切除したところ、翌年から花が咲き実を付けるようになりました。

鳥害にも注意

年の瀬が近付いた頃から果実の黄色が濃くなり収穫適期を迎えます。

お住まいの環境にもよりますが、収穫期に注意したいのが「鳥害」です。

我が家では毎年、ちょうど収穫しようという時にカラスに持って行かれてしまう(しかも食べカスを散乱)ので、少ない収穫を巡っての攻防戦が行われています。

こればかりはカラスに先んじて収穫するしかないですね。

金柑を美味しく食べる方法

金柑は品種によっては生食も可能で、スライスしてサラダのトッピングにしたり、細切りしてキャロットラペに加えたりして香りと酸味を楽しめますが、加熱して苦みや酸味を抑えて食べるのが一般的です。

金柑ジャム

金柑レシピの中でも、ジャムは最もポピュラーです。

金柑ジャムのレシピ
  1. ヘタを取ってよく洗った金柑を半分に切り、爪楊枝などで種を取り除く。
  2. 鍋に入れて、かぶるくらいの水で5分ほど煮立たせ、一度ゆでこぼす。
  3. ゆでこぼした金柑を粗みじん切りにして、グラニュー糖または上白糖(金柑の重量の1/2)を加えて水分が飛ぶまで煮詰める。

出来上がった金柑ジャムは、トーストやホットケーキに添えてもヨーグルトに添えても、甘酸っぱさと香りの良さを楽しむことができます。

鴨肉や豚肉料理のソースに加えると、お肉の脂の旨みを引き立ててくれます。

金柑の甘露煮

金柑の甘露煮は、おせち料理の彩りとしても用いられます。

甘露煮にする場合はジャムと違って丸い形のままで煮ますが、アクが抜けやすくなるように皮に数ヶ所切り込みを入れます。

切り込みを入れた金柑を一度茹でこぼしてから30分ほど水にさらしてアクを抜き、鍋にグラニュー糖または上白糖(金柑の重量の1/2強)を加えてひたひたの水を注いで20~30分ほど煮込みます。

みりんやはちみつを加えると照りが出るのでおすすめです。

そのまま食べても良いですが、お湯を注いで金柑ホットドリンクにしても良いですよ。

金柑シロップ

初夏になると青梅を使って梅シロップを作る方も多いと思いますが、金柑でシロップを作るのもおすすめです。

梅シロップの要領で、金柑を半分~1/4に切って種を取り、果実酒用のガラス瓶などに氷砂糖と交互に重ねるように入れて冷蔵庫で保存します。

時々容器を揺らしながら10日間ほどでシロップが出来上がります。

水やお湯で割って金柑ドリンクや、炭酸水で割って金柑ソーダにしても楽しめます。

まとめ

冬になると濃い黄色の実を付ける金柑ですが、見た目にも映えるので庭木としても人気です。

観賞用だけではなく食用になるので、ジャムや甘露煮、シロップなどいろいろな利用法があります。

金柑の栽培はとても簡単で、害虫対策さえ気を付ければ手間もかかりません。

自宅で育てた金柑をジャムや甘露煮にするのも、冬の楽しみの一つです。

 

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