ワインの勉強を始めるきっかけは人それぞれですが、どんなに詳しい人でもはじめは初心者です。
特にワインについては「小難しい」「奥が深くて学ぶのが大変」という印象を持ちがちなのではないでしょうか。
筆者も知識ゼロの状態だった頃に「ワインに詳しかったら格好いいだろうな」と思ってはみたものの、何から始めて良いのやら全くわからない状態だったので、一度は諦めてしまいました。
スクールに通って基礎から学ぶのは近道であり確実ですが、時間と費用の工面が必要です。
筆者が独学でまず始めたことは「飲んだワインを記録すること」と「初心者向けのテキストを読むこと」でした。
飲んだワインを記録しておくことで、後々テキストを読んだ時に繋がってくればしめたものです。
この記事では、初めてワインを学ぶ2つのコツについて経験談をもとに紹介していきます。
ワインを勉強するようになったきっかけ
「なんとなくかっこいい」という憧れ
漠然と「ワインに詳しいと格好いい」と思っていたことが始まりです。
とはいえ、どこから手を付けていいのか分からずに漠然と本を手にしても頭に入っていかず、結局のところ諦めてしまいました。
結局のところワインが好きというよりは「ワインに詳しい自分になりたかっただけ」という底の浅い動機でした。
仕事上、必要に迫られて
長いこと事務職に就いていたのですが、ある時異業種転職を思い立ち、販売系の職種に転職しました。
店頭でワインを試飲販売することもあったのですが、担当するスタッフにワインの知識が求められていたわけではなく、
マニュアルを読むだけ。ましてや筆者は知識ゼロというレベルです。
マニュアル通りのセールストークを話しても、ワイン好きのお客様にはわかります。「この人ワイン知らないな」と。
「あなたに聞いてもわからないでしょ」と面と向かって言われ、返す言葉もなかったことは今でも覚えています。
知識のない状態で店頭には立てない、と必要に迫られて改めて学ぶことを決めました。
結果的に、資格を取るためにワインスクールに通いましたが、「学費を貯めてから」と決めて独学からスタートしました。
独学をスタートする2つのコツ
飲んだワインを記録する
その頃には、同僚と一緒にワインを飲む機会が増えて、ワインの楽しさがわかり始めていました。
カベルネ・ソーヴィニヨンのような重めの赤ワインが好きかも、と好みの傾向も出てきたのもこの頃からです。
ちょうど近くにワインのアウトレットショップ(現在は閉店)があったので1,000円前後の安価なワインを購入して家で飲んでは「原産国、ブドウ品種、生産年」などを記録するようにしました。
スマホカメラで記録しても良いのですが、個人的なおすすめは「ワインラベルレコーダー」です。
ワインのラベルを透明シートに粘着させて剥がし、台紙に貼り付けて保存することで、自分がどのワインを飲んだのか記録が残ります。
裏面にはどんなワインを飲んだか、味わいの感想などを書き込めるようになっているので、後々見返す時に便利です。
ワインのラベルは「ワインの履歴書」とも言えるほど情報が記されています。
例えばこちらは、「2020年ヴィンテージのニュージーランド、マールボロ地区のワインで生産者はBOATSHED BAY、ブドウ品種はソーヴィニヨン・ブラン」というのがわかります。
こちらは岩手県産の日本ワインですが、ワインの特徴や注意書きまで詳しく記載されています。
ラベルには凝ったデザインのものも多いので、コレクションとして楽しむのも有りです。
初心者用のテキストを読む
次に、初心者用のテキストや書籍を読みます。
いきなり難しい本を読む必要はなく、極端な話マンガでもOKで、親しみやすいところから入るのがコツです。
個人的な意見ではありますが、まずは「ブドウ品種」について触れている本を読むのがおすすめです。
ワインの勉強には「品種」「生産国・地域」を知っていくことが重要ですが、まずは品種の特徴を知ることを優先にした方が馴染みやすいです。
生産国や地域については覚えることが山ほどありますが、実際に飲んだワインとリンクしにくいのも確かです。
品種についてある程度知っていれば、飲んだ時に「これが特徴か」と繋がりやすくなります。
飲んだワインを記録しておくことがこの段階で生きてきますし、本の内容と味わいが一致したと感じたらしめたものです。
ここからは次々に色々なワインを試したくなってきて、ワインを学ぶことが楽しくなってきます。
独学の後、スクールへ
2年ほどこのような形でワインに親しんできた頃には、お客様に「ワイン詳しいんですね」と言っていただけることも増えました。
小さな成功体験は、学びのモチベーションになることは間違いありません。
この時点で、日本ソムリエ協会認定のワインエキスパート資格について本格的に意識し始めました。
一応、ソムリエ受験の資格はあるのか会社に問い合わせましたが、酒類に限った業務ではないため却下。
ほぼ同等の知識をもつワインエキスパート資格に照準を定めて、スクールに通うことにしました。
スクールに通えば合格できるとか、独学だと難しいということではありません。
筆者の場合はどちらかというと「感覚」で学んできたので、一度スクールに通って体系的に学びたいと思ったのが大きな動機です。
独学である程度の知識を蓄積しておいたことで、スクールでの授業の序盤から難なく着いていけたのは確かです。
まとめ
ワインに詳しい人になりたい、と漠然と思い始めたはいいけれど、挫折してしまった筆者の経験談を紹介してきました。
一度は諦めてしまいましたが、仕事上で必要に迫られて独学をスタートしました。
何から手を付けていいのかわからなかったのも確かですが、「飲んだワインを記録すること」「初心者向けの本を読むこと」この2つで少しずつ、確実にワインを理解していきました。
飲んだワインと本で読んだ内容が繋がっていることに気付くと、途端にワインが楽しくなります。
先入観はどうしてもありますが、楽しくワインを学び始めるための参考になれば幸いです。